2010年07月27日

京都づいている

23日(金)は、某学会の打ち合わせを京都某所でやる。いままでやったことのないことをやろうというので、なかなか大変だが、一方でやりがいもありそうである。

24日(土)は、京都近世小説研究会の100回記念大会。場所は御所西の弘道館(皆川淇園塾)跡。久堀さんが淡路の浄瑠璃についての緻密な話をされ、浜田啓介先生が「比較文学偏西風」というスケールの大きなご講演をされる。

26日(月)は、日本近世文藝と白話小説をテーマとした科研の研究会を聴講にいく。京都大学。中国文学・仏教文学の方も参加されているので、ちょっぴり超域的で、質疑応答も「おおお!」という感じ。

そして今日は、京博で秋成展の見学会。今週はさらにあと2回京都ゆき。
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2010年07月24日

日経新聞も秋成を特集

今日の日本経済新聞朝刊にも秋成のことが大々的に(?)載るということである。私自身はまだ見ていないのだが、そのうちご報告しよう。
私をふくむ秋成展関係者数名に取材した力作になっているはずである。

京都新聞「畸人秋成の世界」は、21日の稲田篤信さんの京都の知人と秋成、特に蘆庵との関係について触れた第15回で、満了。めでたし。

主催者の立場なので、気になって「24時間以内」の条件でググったりしていると、結構、ブログなどで「秋成展、行ってきました」という人がいるのに驚く。まあ「空いていました」とか「地味」とか大体書いているんだが、私から見れば、よく入っていると思う。中には感銘を受けたとか、雨月物語を読みたくなって図書館に予約したという人もいたりするんだから嬉しい。

ワンコインで買えるパンフレットの売上も好調なんだって。

同志社女子大から、6月12日と19日の連続講演のアンケート結果が送られてきた。なんと、95パーセントが「大変興味をもった」で「やや興味をもった」を合わせると98パーセントという数字だ。これまた主催者としては「よかったあ」ということ。さらに中身を見ると、さすがに中野先生、高田先生の講演にコメントしている人が多かった。もちろん他の講師陣も大好評だ。

7月27日は、懐徳堂記念会の催しである見学会があり、解説を担当しているのでその準備をしているところである。

7月29日は、ハートピア京都で長島弘明さんの講演(はやく満員締め切りになっているようだ)。30日は京都アスニーで木越治さんの講演、31日は京都女子大で稲田篤信さんの講演という3連発である。これらを全部聴く人いないかなあ?

そうだ、今日は土曜講座で狩野博幸さんの講演(於京都女子大)。京都の大学でもし秋成を卒論に書こうとしている学生さんがいたら、涙を流しているかもね。
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2010年07月23日

覆面国文学者、鷹西鉄男

『幽』13号(2010年8月)は、第2特集として上田秋成を組む。高田衛氏が「秋成の復活―ポストポストモダンとしての『雨月物語』」(目次の「ポストモダンとしての」は間違い、あくまでポストポストモダンである)を書いている。
 村上春樹の「海辺のカフカ」に出てくる雨月物語の意味。誰もが知りたいことに迫るのだが、もっともっとスゴイ構想があるらしい…。

 この号で、鷹西鉄男という作家が秋成の「山霧記」の現代語訳を出している。変わった経歴の作家であるが、ネットで調べても、どうも実在しないようである。『幽』編集長の東雅夫氏の妖怪ブログによれば、「覆面国文学者」だということ。解説を読むと、ちゃんとした解説。

 いったい誰なんだ!経歴によれば、1965年、東京都生まれ、荒川区に火炉工場を持ち、劔工を営むと。『一文字一徹の生涯』という作品があると書いているが、怪しい。もしかすると、あの人かもしれない。
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2010年07月19日

日本近世文藝と中国白話の世界

7月26日(月)、京都大学人文科学研究所(4F大会議室、14時から17時)で、「日本近世文藝と中国白話の世界」というシンポジウムが開催される。永井政之・西田耕三両氏が、「心越・忍ちょうと善書の刊行」をテーマに基調報告、他に、テーマに関わる研究発表が3本という内容である。

なお、秋成展のNHKニュースはこんなかんじだったようです。

(現在みられなくなっているようなので、転載しておきます。)

小説「雨月物語」の作者として知られる上田秋成の小説や俳句、和歌など、初めて公開されるものを含む展覧会が、京都市で開かれています。
展覧会は、江戸時代、大阪と京都で活躍した上田秋成の没後200年を記念して京都市東山区の京都国立博物館などが開きます。
和歌を記した短冊や小説の初版本など初めて公開される30点を含め各地の図書館や研究者が所蔵するあわせて82点が展示されます。このうち「夏雲」は秋成が70代に比叡山から夕日が差し込む様子を詠んだ和歌で、ペンネームから、雨月物語が秋成の作品だったことを証明する唯一の作品とされています。
また、「霜雪の」は、秋成が亡くなる直前の76歳の時に寒い冬の朝に茶の香りを楽しむ様子を詠んだ和歌で、力強い筆跡が残されています。
京都国立博物館の水谷亜希研究員は「秋成の多岐に渡る才能を広く知ってもらいたい」と話していました。
展覧会は8月29日まで開かれます。
07月18日 1
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2010年07月17日

上田秋成展、本日開幕

京都国立博物館の特別展観「上田秋成」展が本日開幕いたしました。

昨日、記者発表と内覧会がおこなわれ、近世文学会側からは長島弘明さんと私が出席しました。思った以上のプレスが来ていました。きょうのNHKの朝のニュース(関西版)でもやっていたそうです。

展示会場では、さまざまな質問を受けましたが、多様な秋成の世界に、みなさん異口同音に「面白い」とおっしゃっていました。

展示は、『春雨物語』『胆大小心録』などの巻子本が堪能できるように、数メートルにわたって展示されていたり、鏡を使って裏側を見せるなど、めりはりのきいたディスプレイになったいました。

後半の秋成ゆかりの京の画家たちのコーナーでは、この画壇をふくむ京都の文化圏の中に秋成もいたんだなという実感がありました。若冲・蕪村・大雅・竹田・応挙・呉春・景文など、重文5件を含む展示がなされます。4期にわかれていますが、おおきく展示替えがあるのは、8月10日の3期以後です。

会場解説の右下に、かわいらしい蟹(秋成の号「無腸」は蟹のこと)のマークが赤く入れられています。さてこれはどこから採ったものでしょうか。会場のどこかに展示されている作品から採ったものです。

今回のちょっとしたイメージキャラクターですね。

みなさま、是非お出かけください。京都はいま祇園祭で人出が多いと思いますけど。
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2010年07月15日

仮名序といつはり、そして明日は…

『国文学解釈と鑑賞』8月号は、「近世散文における引用と挿絵」という特集を組んでいる。
人ごとのように言いましたが、私も書きました。

「秋成における古今集仮名序の引用」というのですが…。

テーマの趣旨とはちょっとずれることを承知で、秋成における「いつはり」の問題を考える時に避けて通れない問題について書いたつもりである。

仮名序では吉野山の桜が雪に見えたとか雲に見えたとかいう歌が問題になる。それが本当にそうみえたのか、「いつはり」なのか?秋成は文学における偽りの問題をこういうところに発見しているのである。この問題は秋成に終生わだかまり、仮名序を鏡にして、彼はみずからの倫理意識を照らし続けるのである。

 さて、いよいよ明日は、宵山…。そうなんですが、私らにとっては、秋成展開幕の前日、記者発表の日である。内覧会もある。こういうのは初めての経験なので、ちょっと楽しみである。

 祇園祭でかすむのか、逆にお祭りに乗っていけるのか?幕が開いてみないとわからない。NHK京都が後援しているのだから、NHK京都ぐらいは少しニュースで取り上げてくれないかしら。 
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2010年07月13日

老いからの飛翔

これが高田衛『春雨物語論』のテーマ。
秋成研究のみならず近世文学研究の巨人・怪人・鉄人である高田衛先生の本を書評できるとは光栄至極である。もちろんわたしなりに一生懸命書いた。書評って結構命がけのところがありますからね。
「日本文学」2010年7月号。

書き出しはこういう感じ。

高田衛が蝶になって険しく聳え立つ山の頂上付近を飛翔している。その山の名は『春雨物語』。山に魅せられて登ろうとした者は跡を絶たなかったが、難路につぐ難路、登り始めたものにしか分からない困苦は、登頂挑戦を躊躇わせていた。
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2010年07月12日

目録2点

ひとつは、尾道大学附属図書館下垣内文庫目録。下垣内文庫研究会編。尾道大学刊。2010年3月。中国地方の俳諧史研究で知られる下垣内和人氏が尾道大学に寄贈された俳書・一枚摺・短冊などのコレクションが目録となったもの。故雲英末雄先生の薫陶を受けた方々によって作成された、カラー口絵・解題・目録らを含む300頁を優に超える目録である。傘寿を迎えられたという下垣内翁もお喜びであろう。

もうひとつは山口大学図書館所蔵和古書分類目録稿で、尾崎千佳氏の編。やまぐち学の構築第6号所載。2010年3月。私の前任校の大学のものだけに、感慨がある。図書館の5Fと6Fだったかにひっそりと旧制高校の蔵書が並べられていて、時々そこにいくと、ひんやりとした中に、古書の香りがただよい、洋装本の中に、和本が交って置かれていた。「ああ、こんな本もあるのか」と。しかし、それは高校別に並べられていたので、全貌はなかなか把握できない、いつか目録を作らねば、と思っているうちにむなしく時が過ぎてしまった。後任の尾崎さんに、目録作成を託していたが、さすが仕事人の尾崎さん。きちんとやってくださった。旧制高校の集めた本だけに、基本的なものがそろっているという感じである。私のやるべきだった仕事をやってくださってありがとうございます。
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2010年07月11日

合評会

昨日、『上方文藝研究』第7号の合評会が行われた。

学術同人誌の合評会というのは、非常に勉強になる。
書く方も、いろんな人の批評が受けられるので、力が入る。

研究の方法を惜しみなく披露する人もいるし、論文の書き方についてのいろいろな考え方を知る事もできる。まことに若い人にとっては、ありがたい会だといえる。

18名が参加し、ほとんどの方が発言するという、活気に満ちた会であった。

今回は若い人の執筆が多く、先輩から適切な指摘や意見が相次ぎ、大いに勉強になったと思う。
東京から来てくれた新会員もいたし、近世文学専攻ではない若い院生も参加してくれた。企業に就職した元院生も来てくれた。

長時間の議論のあと、めずらしく記念写真をとり、さらに懇親会で、学問談義は続いていったのである…。
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2010年07月07日

映画「雨月物語」野外上映

秋成展に関する新着情報。

○京都新聞連載「畸人秋成の世界」13回は、私が、晩年の秋成の失明を救った谷川3兄弟と秋成の交遊について書いた。今回の展示で1コーナーが設けられる。いずれも初公開。

○ポストカードが製作される模様。どの展示品が図案となるかは、お楽しみである。グッズコーナーお見逃しなく。

○秋成ファンに耳よりの情報。秋成が晩年に愛用した沖縄産のアダンの筆が販売されるらしい。実はこのアダンの筆、沖縄でものすごく苦労して、やっとのことで買い求めたことがあるのだが…。

○京都国立博物館が、特別展観上田秋成の開催を記念して映画「雨月物語」を野外上映する。
チケットをお持ちの方は無料で観覧できる。
キャンパスメンバーズも無料である。

京博のHPに載っているがここにも転記しておこう。
 
●映画「雨月物語」映画鑑賞会
〜日本映画の巨匠 溝口健二監督作品〜

 特別展観「没後200年 上田秋成」開催を記念して、映画「雨月物語」の映画鑑賞会を開催いたします。ぜひこの機会にご覧ください。

 特別展観「上田秋成」のチケットをお持ちの方は無料です
 (半券をご提示ください)
 ※小・中学生及びキャンパスメンバーズは無料でお楽しみいただけます
 ※日の入りにより開始時刻が遅れることがあります。

 日 時:平成22年7月30日(金) 19時20分〜
      平成22年8月6日(金)  19時20分〜
      計2日各1回上映いたします。
      (上映時間 97分)
      ※野外上映のため、雨天の場合中止となります
 場 所:京都国立博物館 丸池付近(正門側)
 野外スクリーンを設置、16mmフィルムで上映いたします。

映画「雨月物語」

  c 1953 角川映画

  原作:上田秋成
  製作:永田雅一
  監督:溝口健二
  脚本:川口松太郎/依田義賢
  撮影:宮川一夫
  音楽:早坂文雄
  出演者:京マチ子/森雅之/田中絹代/小沢栄/水戸光子/上田吉二郎
  公開年 1953年

戦乱の到来を契機に大商いを目論む陶器の名工源十郎と、侍として立身出世を夢見る弟の藤兵衛、そして息子と家族3人で貧しくともささやかな幸せを望む妻の宮木。
そんな三人の命運を、やがて荒廃した時代が飲み込んでいく・・・。
世界に名高い巨匠・溝口健二の代表傑作「雨月物語」は、怪奇文学の父・上田秋成の原作をもとにモーパッサンの「勲章」を加え、川口松太郎、依田義賢が脚色、名コンビ宮川一夫が撮影にあたった文芸巨編です。

第14回ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞、同イタリア批評家賞
1953年毎日映画コンクール 美術賞、録音賞
1953年文部賞 芸術選奨(宮川一夫)
1955年エジンバラ映画祭 デヴィッド・O・セルズニック賞

お問合せ先 
TEL 075-531-7504(総務課事業推進係)

以上、上田秋成展関連情報17。

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2010年07月06日

谷脇理史先生追悼特集

『近世文芸 研究と評論』78号は、谷脇理史先生追悼特集。論考も西鶴関係が7本。

広嶋進氏は『西鶴諸国ばなし』は『宇治拾遺物語』の説話配列に学んだとする。かつて連句的配列が言われたこともあるが、連句では説明できない、2,3話の連纂や離れた位置に共通点を持つ配列があって、それは宇治拾遺物語的なのだという。

説話的配列は、西尾実氏や荒木浩氏の研究を援用しているが、鋭い西鶴は、すでに宇治拾遺におけるこれらの配列を見抜き、自分のものにしたというのであろうか?「基本的、潜在的な部分」での影響といわれると、なかなか反論もしにくいのであるが。ただそのような配列がなされているのは、事実だと思う。それが説話的配列というものだろうし、意識的にやらなくてもそうなるんじゃないかという思いは捨てきれない。

しかし、今回の特集は、谷脇西鶴をさまざまな形で検証・継承していこうとする早稲田の人たちの志が感じられて、じーんと来る。

 30人ほどの人が追悼文を寄せている。とくに谷脇先生に学んだ若い方々の追悼文からは、谷脇先生の研究への姿勢や、学生への指導の態度といったものが浮かびあがってきて、実に興味深い。宍戸道子さんが、誰かの秋成の論文を材料に論文批評の演習に臨むと、先生が、人の気付かない論の粗雑な点を指摘し、最後には「これでは全然だめってことになりますなあ」と言われたなどの話は、ぞぞっとしたが、なるほど、こういう論文指導をしているのかと、納得するものがあった。

 中野先生が、自著をよく谷脇先生に書評してもらったことを書かれている。中野先生ならずとも、この厳しい目をもつ論理家に、一度は書評してもらいたいと思うだろう。人柄の素晴らしさは誰しも知るところ、だが今回の追悼特集は、谷脇学というものをかなりあぶりだしているという点で、単なる追悼特集に終わっていないと思う。
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2010年07月03日

秋成の手紙

今回の秋成展では、多くの新資料が展示される。

中でも、秋成の生活が生々しく写しだされる俗事の手紙は、雅の世界に生きているはずの文人が、当然ではあるが、日常の瑣事に心を砕いている様子を知る事が出来て貴重である。

今回初めて展示される新出呉春宛、そして山口素絢宛の秋成書簡について、長島弘明さんが、7月2日付け朝日新聞(東京版)夕刊に書いている。

呉春に絵付けしてもらった陶器、五つ揃いのものがひとつ割れてしまったので、戻したい。アコギならば御放念…。つまり、もう一回描いてってことだと長島さん解説。

素絢には、急に引越しをしなきゃいけなくなった、費用がいるから、この前あげた陶器戻して…。清貧な生活をしている文人は金の工面が大変なようである。

こんな、裏の生活まで今度の展示では垣間見られる。

いよいよあと2週間である。
(秋成展関連情報16)

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