2010年10月30日

忍頂寺文庫シンポジウム

(国文研の広報にリンクをはりました 10月23日)
(この記事は10月30日まで常にトップ記事となります)
国文学研究資料館公募共同研究「近世風俗文化学の形成―忍頂寺務草稿および旧蔵書とその周辺―」が、大阪大学文学研究科の日本文学・国語学研究室の共催をえて、「近世風俗文化学の形成ー忍頂寺務と忍頂寺文庫・小野文庫ー」というシンポジウムを主催いたします。

3年間の共同研究の締めくくり的な意味があります。

忍頂寺文庫は、近世歌謡研究者・蔵書家として知られる忍頂寺務(1885〜1951)の旧蔵資料であり、近世風俗文化を知るための宝庫ともいうべきコレクションです。また、同じく務の旧蔵資料である小野文庫には、務と交友のあった近世風俗文化学研究者などからの貴重な書簡が、数多く残されています。
本シンポジウムは、両文庫の資料を手がかりに、近世風俗文化研究に多大な業績を残した故忍頂寺務の研究を再確認・再評価するものです。あわせて、関連の資料の展示を行います。

C日時 平成22年10月30日(土)14時〜17時30分

D会場 大阪大学大学院文学研究科本館2階大会議室

Eプログラム(敬称略)

(基調報告) 14:00〜14:45
武井協三(国文学研究資料館)
「忍頂寺文庫の芸能資料−『女意亭有噺』を中心に−」」

(個別報告) 15:00〜16:00
内田宗一(東京家政学院大学)
 「書簡資料から見る忍頂寺務」
福田安典(日本女子大学)
 「近世風俗文化学ー忍頂寺務型モデルの提唱ー」

(パネルディスカッション) 16:15〜17:30
司会 飯倉洋一(大阪大学)
パネリスト 武井協三・内田宗一・福田安典

当日は、忍頂寺文庫・小野文庫の一部を展示します。また、『忍頂寺文庫・小野文庫の研究』1〜4も在庫のある限り、お持ち帰りいただけます。在庫僅少の号もあり。

たいへん嬉しいのは、忍頂寺務氏の実孫でいらっしゃる方とそのご家族もお見えになる予定だということであります。
(10月4日投稿)

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2010年10月26日

中野三敏先生が文化功労者に

恩師が文化功労者に選ばれました。

時事通信によりますと、

政府は26日、今年度の文化勲章を演出家の蜷川幸雄氏(75)とノーベル化学賞受賞が決まった有機合成化学の鈴木章(80)、根岸英一(75)両氏ら7人に贈ると発表した。文化功労者には元プロ野球選手の王貞治氏(70)、女優の吉永小百合氏(65)ら17人を選んだ。
 演劇分野の演出家への文化勲章、映画女優の功労者はいずれも初めて。演劇の女優ではこれまでに森光子氏らが功労者、文化勲章受章者に選ばれている。
 文化勲章はほかに建築の安藤忠雄(69)、服飾デザインの三宅一生(72)、元文部相で原子核物理学の有馬朗人(80)、日本中世史の脇田晴子(76)の各氏。
 文化功労者はほかに漫画の水木しげる(88)、歌舞伎の市川猿之助(70)、幹細胞生物学の山中伸弥(48)、指揮の大野和士(50)、X線天文学の田中靖郎(79)、環境リスク管理学の中西準子(72)、日本近世文学の中野三敏(74)、詩の中村稔(83)、光化学の藤嶋昭(68)、書の古谷蒼韻(86)、写真の細江英公(77)、刑事法学の松尾浩也(82)、生化学の松尾壽之(82)の各氏。鈴木、根岸両氏は功労者にも選ばれた。
 文化勲章親授式は11月3日の文化の日に皇居で、文化功労者顕彰式は同4日に東京都内のホテルで開かれる。 

ということでございます。
心より、お祝い申し上げます。
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2010年10月22日

初めにストーリーありき

検察の「初めにストーリーありき」がいろいろ取り沙汰されているが、研究に似ている。
最初に、仮説というストーリーをたてて、それを文献的な事実で埋めててゆく。
埋まらないところは、「蓋然性が高い」という魔法の呪文でぴょーんと飛ぶ。
そういう危ない橋を渡った「調書」が、論文である。(あ、僕だけ?)

といえば、なんだか論文は捏造みたいだが、都合の悪い文献の記述を書きかえることはできない。
また「調書」は自分の実証能力を示すだけのことで、他人を指弾して無実の罪を着せるものではない。

だからどんどんストーリーを作ってみることが必要である。
ストーリーを作る能力は、構想力と呼ばれ、それがないと面白くないのである。
(以上、かなりひとりごとっぽい。ちょっと秋成の真似をしているのだ)。

今日の授業で、学生に『春雨物語』とは、って定義してもらったのだが、「ブログのようなもの」という回答があって唸った。秋成が現代に生きていたらブログをやっていそうだよ、確かに。
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2010年10月21日

英語授業無事終了

さてみなさんお待ちかね(←誰も待ってない!)の英語授業の続報です。

本日午前中にやりました。

Good morning everyone.

から始めます。

江戸時代の版本について、現物とパワーポイントで説明。要領が悪い。ぶっつけ本番はいかんな。

前回は45分で終了しましたが、今回は少し伸びて1時間弱で終了。パラパラと拍手があった。その後、Q&Aタイム。数名の質問を受けた。反応はなかなかよくて(とこちらが思いこんでいるだけかもしれないが)、授業後に、原本を見たりさわったりする学生が大変多かった。コメントも、面白いとか驚いたとか、江戸の本を収集したいとか、なかなか嬉しいことを書いてくれるものである(本気じゃないにしても)。

とはいえ、選択でレポートに選ぶ人は多分いないだろうが…。

それにしても授業後、結構日本語で話しかけられるし、聴講で日本人も数名来ている。不思議なもので日本人に聴かれる方が恥ずかしいですね。アドリブがきかないのが厳しいんだが、和本が軽いことを現物で示すあるパフォーマンスだけは受けたな。

本来のTAが外国で発表ということで、ちょっとあせったんだが、代理の学生さんが来てくれ、この方がよくやってくださったのであった。

とりあえず、一息。
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2010年10月19日

小澤蘆庵歌論の新検討

必要あって、中村幸彦先生の「小沢蘆庵歌論の新検討」という論文を久しぶりに読み返して、その明晰さに驚いた。すこし歴史主義的なところがあるのが、時代を感じさせるが、それを差し引いても、蘆庵歌論を論じたもので、一等すぐれたものではないだろうか。

先日、淡路島で十三回忌の集まりがあり、先生を偲ぶ宴で、そこにいた全員が先生の思い出を語ったのだが、いろいろと秘話があるものですな。先生の書簡を集めたらどうだろうという話もN先生から出た。面白そうだ。

さて蘆庵の歌論についての論文は著述集で読んだが、補注として田中道雄先生のお名前があった。蘆庵が芭蕉俳論に影響を受けたという中村説を踏まえて、田中先生は、蝶夢の影響を指摘しているということであった。

「想像(オモヒヤ)ル」という文学論の系譜。これもまたすごい発見であるよな。秋は文学論の季節って感じがする。
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2010年10月17日

秋季大会の宿泊情報

日本近世文学会会員のみなさまへ
学会HPで、秋季大会の宿泊情報が更新されています。
宿をとっていない方はご覧ください。
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2010年10月15日

〈私〉の哲学を哲学する

なぜこのタイミングで送られてきたのか、それは全くの偶然なのだが、その偶然を生かしたくなるような、そういう本がまれにある。きのう、送られてきた本。『〈私〉の哲学を哲学する』(講談社)。

 最初の方を読んでみた。永井均という人の、私の哲学というのは聞いたことはあった。しかし、読みはしなかった。気にはしてたけど、本をかうにはいたっていなかった。入不二基義・上野修が、前任校の友人でなければ、そして彼らが永井均と親しくなければ、この本ももちろん読まなかっただろう。しかし、私は永井の文章を読んで、かなり高揚している。(と、いささかナルシスティックな書き方をしているのは、もちろん本書の基調を真似しているつもりなのだが…、江戸文学研究の悲しさだな)。

 ともあれ、ちょうど今、私は〈私〉について考えている。つうか、私の最初に書いた論文が、「秋成の「私」の説について」という論文なのですよ。本にする時、この論文を外しましたけどね。それから30年たって、また〈私〉について考えている折も折なんだよね。いや、考えていることは「偽る」ということで、それが〈私〉とリンクするってことなのだが。まあこれは独り言です。

 永井均・入不二基義・上野修・青山拓央。大阪大学で行われたシンポジウムを基にしている。これ、私も聞きたかったのだが、同日にかなり近い場所で、別の研究会の司会をやっていたのであれば、仕方がなかったんだよね。なんかカッコいいポスターだったよね。でも及川光彦のように、戦略的ナルシズムというのには人も酔うからね。このシンポジウムの討論には熱い空気が流れたでしょうね。

 この人たちの文章や、討論を読んでいると、考えることの快楽が伝わってくる。もう愉しいを越えて、「キテル」って感じなんだよね。本人たちはそう思っていないのだろうか?それ、知りたい。
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2010年10月09日

日本近世文学会会員の方へ

この場を借りるのも公私混同ですが、業務連絡。秋季大会にご参加予定の方で、宿のご予約がまだの方は、学会HPをご覧ください。開催校からの連絡がありますゆえ。
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2010年10月07日

足袋

子供用の速く走れる靴のことが新聞に載っていた。運動会などのためらしい。
散人の小学生のころは、運動会といえば足袋をはいていたのだが、なぜだろう。
普段は運動靴なのだが、運動会になると足袋をはくのである。
一日はいていると、必ず破れていた。
あのころの小学校の運動会では、全国的にそうだったのだろうか?
ちなみに散人はそのころ長崎市在住でした。
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2010年10月01日

懐徳堂展

ブログ書いている暇があるなら……、という声がどこからか聞こえてきます。だけどね、むしろ、これ書いているときの方が仕事やってるんですよね。人間って、バランスとかが大切じゃない?と居直ったところで、今日はまじめに、懐徳堂記念会の運営委員としての広報をいたしまする。

江戸時代の後半約140年にわたり、大阪の学問所として栄えた「懐徳堂」を、顕彰復興する目的で、明治43年に設立された懐徳堂記念会。
今年100周年を迎えるにあたり、さまざまな事業を展開しているが、そのひとつとして、「懐徳堂展」を開催する。場所は大阪歴史博物館である。懐徳堂の歴史を学ぶ絶好のチャンスです。

第69回 特集展示
懐徳堂記念会創立100周年記念
懐徳堂展
―大阪“知”の源流―
◆ 平成22年 10月27日(水)〜12月20日(月) ◆
毎週火曜日休館(但し11月23日(火)の祝日は開館し、11月24日(水)は休館)

会場
8階 特集展示室
時間
9:30〜17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧いただけます
主催
大阪大学・大阪歴史博物館・財団法人懐徳堂記念会

資料解説講演会(懐徳堂アーカイブ講座)もあります。
第1回 11月 3日(水・祝)
講師:湯浅邦弘氏(大阪大学教授)
第2回 11月28日(日)
講師:矢羽野隆男氏(四天王寺大学教授)
【会場】 大阪歴史博物館 4階 講堂
【時間】 いずれも午後1時30分〜2時30分(受付は午後1時から)
【定員】 250名(当日先着)
【参加費】 無料
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

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