2015年11月05日

日本古典籍デジタル化に関わる国際シンポジウム

日本古典籍のデジタル化と、くずし字解読(学習)に関わる話題が今年ほど出てきた年はないだろう。
今や、この動き、世界的にトレンドであることは、UCLAで行われたくずし字ワークショップや変体仮名アプリの開発、そしてケンブリッジ大学が行っている和本リテラシーのサマースクールなど、もはや否定できないだろう。日本でも日本近世文学会が和本リテラシーニューズを創刊し、ゲーム界でも「刀剣乱舞」のユーザーの中にくずし字に関心をもつ人が少なくないという。我々のくずし字教育プロジェクトにも大きな反響があり、プロジェクトの公式ブログ(Google+)の閲覧数は1万を超えている。
といいつつ、もちろん大部分の一般の人からみれば、「はあ?なにそれ?」というところかもしれない。
そういう現実はきちんと見詰めつつ、ともかくも前向きに進みましょう。

さて、世界的にトレンドだなんて大げさなと思われる向きもあろうが、下記のような国際シンポジウムが行われるのである。ドイツのハイデルベルク大学。初日はなんと、「くずし字教育の現在―ヨーロッパと日本―」である。まさにこういうことで意見交換される時代になっているということなのである。
 やはり国文研の大型プロジェクトの発進が、この動きを加速していることは確かである。原本で読みたいというのは、人間の本能に近い好奇心であって、読めるかもしれない!と思ったら、その気持ちは抑えられないだろう。くずし字アプリの性能向上と普及で、英語学習のように、くずし字学習ができるようになれば、日本の古典籍デジタル資料の活用が一気に増加することもありうるだろう。

2015年11月12-14日 「日本の歴史的典籍とそのデジタル化 −研究及び教育に与える影響」
− Japanese Pre-Modern Texts and their Digitalization: Effects on Research and Teaching
2015年11月12日(木)16:00 – 18:30
(会場: ハイデルベルク大学、日本学科、107番教室、アカデミー通り 4-8)
パート I: 日本古典研究のための基礎技術を教える
パネル・ディスカッション:くずし字教育の現在 −ヨーロッパと日本−
報告:ユディット・アロカイ、ドミニク・ウルナー、飯倉洋一、合山林太カ

2015年11月13日(金)
(会場: ハイデルベルク大学、マルシリウス講堂、ハウプト通り232-234)
ディスカッサント:イフォ・スミッツ(ライデン大学) ハイディ・ブック=アルブレット(ハイデルベルク大学)
パート II: 日本古典文学の射程 −研究の国際化に向けて−
10:00 ユディット・アロカイ(ハイデルベルク大学)
ドイツにおける日本古典文学の研究―伝統と展望―
11:00 盛田帝子 (大手前大学)
近世和歌の翻訳の試み
12:00 合山林太郎(大阪大学)
明清時代の中国の文学理論とその近世日本文化における影響

パート III: 日本の古典籍・歴史資料のデジタル化における新潮流
14:30 山本和明 (国文学研究資料館)
日本の古典籍のデジタル化における国文学研究資料館の戦略
「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」
15:30 奥田倫子 (国立国会図書館)
国立国会図書館のデジタル・コレクション
16:30 休憩
17:00 ウルズラ・フラッヘ (ベルリン国立図書館) ベルリン国立図書館における東アジア関係デジタル・コレクション
18:00 飯倉洋一(大阪大学)
デジタル資料を活用したくずし字読解の教育方法の開発


2015年11月14日(土) 10:00 – 12:00
(会場: ハイデルベルク大学、日本学科、107番教室、アカデミー通り 4-8)
討論:総括と今後の展望
Sponsored by the Excellence Initiative II of Heidelberg University
posted by 忘却散人 | Comment(1) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする