2017年06月01日

『近世文学史研究 二 十八世紀の文学』刊行

 私が監修した『近世文学史研究 2 十八世紀の文学―学び・戯れ・繋がり―』(ぺりかん社、2017年6月)が刊行される(奥付は6月10日)。見本刷が出来、私の手元に一足はやく届いた。原稿をお願いした皆さまには、私の我儘なコンセプトをよく理解してくださり、非常に興味深く、問題意識に満ち、しかもわかりやすいご論考をお寄せいただいた。この場を借りて、深く感謝申し上げる。
 十八世紀(近世中期)といえば、わが師中野三敏先生の所謂「雅俗融和」の時代である。そのことは、既に十分行き渡っていると思い、私は違う角度、つまり文芸に携わる人々の営為、文芸への関わり方としての営為という観点から、この時代を捉えてみたいと考えた。「学び・戯れ・繋がり」という副題は、その具体的な営みの在り方である。
 もちろん、鈴木健一さんが監修した「十七世紀の文学」においても強調された領域横断的な問題設定を継承していることは目次を見て頂ければ瞭然である。「文学史研究」を謳っているが、歴史・思想史・美術史らに関心のある方々にも読んでいただきたいと思っている。ラインナップは以下の通り。拙論はともかく、ほかの執筆陣の論考はいずれもエキサイティングである。木越治さんの連載を含めて9本150頁。読み応えは十分である。
 
【序】
十八世紀の文学――学び・戯れ・繫がり:飯倉 洋一
【提言】
漢詩文サロンと儒学読書会:前田 勉
日用教養書と文運東漸:鍛治 宏介
十八世紀の美術――都市と地方のあやしい関係:安永 拓世
芸能史と十八世紀の文学:廣瀬 千紗子
【論文】
十八世紀地下歌学の前提――出版の時代:浅田 徹
社会と対峙する「我」から世法を生きる「心」、そして私生活を楽しむ「自己」へ――俳諧と社会:中森 康之
前期読本における和歌・物語談義――十八世紀の仮名読物の一面:飯倉 洋一
書籍業界における近世中期の終わり方:鈴木 俊幸
【近世文学研究史攷二】
近世小説のジャンル――近世文学の発見(二):木越 治

以上である。書店・学会会場などで、どうぞ手にとってご覧いただきたい。
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