『日本文学研究ジャーナル』第7号(古典ライブラリー、2018年9月)が刊行されました。
私と田中則雄さんの編集で、「近世後期小説の作者・読者・出版」という特集。
近世〜近代の4つの作品を自在に往来する延広真治先生の巻頭エッセイと、久保木秀夫さんの本に関する連載「日々是探索」6のほか、8本の論考です。
延広真治 梗概に学ぶ――『旬殿実実記』『三人吉三廓初買』『怪談牡丹燈籠』『虞美人草』――
飯倉洋一 『作者評判千石篩』考
野澤真樹 寛政期「河太郎物」の原点−『諸道聴耳世間狙』に描かれた河太郎――
天野聡一 〈和文小説〉の展開
木越俊介 寛政・享和期における知と奇の位相−諸国奇談と戯作の虚実
有澤知世 戯作者の象徴―京伝と三馬に注目して―
田中則雄 文化期大坂の作者五島清道の読本
菱岡憲司 馬琴評答集の再検討
三宅宏幸 曲亭馬琴と木村黙老の交流
久保木秀夫 伝顕昭筆『万葉集』注記断簡と元暦校本の「裏書」
巻頭エッセイ以外は、若い方に原稿をお願いしました。この雑誌、東の方の編集が多かったので、今号は、編集も論者も西で
ということで、西日本在住、または西日本の大学出身の方中心です。
意欲的な論考が集まりました。ご一読を。