2021年02月03日
蘆庵本歌合集
安井重雄責任編集『蘆庵本歌合集』(思文閣出版、2021年1月)が出版された。龍谷大学世界仏教研究所の共同研究である蘆庵本歌合の研究の成果で、加藤弓枝さんなど蘆庵文庫研究会メンバーも参加している。内容は龍谷大学図書館写字台文庫所蔵の10冊の歌合の影印(カラー)と解説。いずれも蘆庵が書写に関わったもの。この研究会に1度招かれて、龍谷大学で講演をさせていただいたご縁もあり、紹介させていただく。箱は明治書院の新釈漢文大系風であるが、これは龍谷大学善本叢書シリーズの1冊である。歌合は歴史的に見ると、一時衰退し、近世後期になって、地下歌壇から復興する。蘆庵もこれに熱心な一人である。近世文学研究目線でいえば、蘆庵の歌合研究という点で興味深い。このような享受面も含め、近世期歌合の総合的研究が望まれる。