私が代表を務めていた2017年度〜2020年度科研基盤(B)「近世中後期上方文壇における人的交流と文芸生成の〈場〉」は、コロナ禍のため調査が思うようにできず、2021年度まで繰り延べをいたしまして、先般ようやく成果報告書を刊行し、各方面に配布したところです。
さて、その報告書の送り状にも書きましたとおり、掲載した2つのデータベース、すなわち、小沢蘆庵自筆『六帖詠藻』と、妙法院蔵『妙法院日次記』の安永5年から寛政8年までの本文における、人的交流に関わる事項を一度に検索できるポータルサイトが出来ました。近世中後期の上方文壇でいかなる人的交流が生まれていたかを調べることができます。データ入力のための資料としては、蘆庵文庫研究会編『研究叢書486 小沢蘆庵自筆 六帖詠藻 本文と研究』(和泉書院、2017年)と、妙法院史研究会校訂『妙法院日次記』(第22までは続群書類従完成会、第23から25までは八木書店)を使用しました。『六帖詠藻』は人的交流資料の宝庫とされています。また18世紀後半における京都文壇でキーパースンの役割を果たした妙法院宮真仁法親王の人的交流は、文壇のみならず画壇研究からも注目されています。是非一度お試し下さい。
https://jintekikoryu.is-trm.net
いろいろな使い方が可能で、たとえば「妙法院日次記」を指定して、キーワードに「真仁」を指定、安永5年〇月から安永6年〇月と期間を指定すると、そのままその期間の真仁の人的交流年表として使えます。
このデータベースは研究分担者の加藤弓枝さんの御仲介で、鶴見大学の田辺良則先生、荻野菜々さんが作成して下さいました。どうもありがとうございました。
お使いになってお気づきの点などあれば、どうぞお知らせ下さい。