2008年10月07日

雲英末雄先生

 雲英末雄先生が逝去されました。

 直接の教え子でなくとも、先生の謦咳に接して感銘を受けた人は少なくないはずです。
 
 私が大学で助手をしていた昭和60年、日本近世文学会の会場校の雑用係として飛びまわっていた時、雲英先生は、事務局校として、発表会場の一番前にすわっていらっしゃいました。先生がまだ40代のころです。あの時に、はじめて御挨拶したような記憶があります。

  どなたもおっしゃるでしょうが、誰に対しても気さくに接してくださいました。そのことに関して、私的な思い出をひとつだけ。先生は酔われると、大体私を呼び捨てにされました。ある宴席で、ニコニコしながら「イイクラ、おまえの論文は面白くない!」。嬉しかったです。
 
 先生は「昨日の自分と比べてどれだけ成長しているかだけを考える。人と自分を比べない」という意味のことをエッセイに書かれていました。心に残る言葉です。
 
 学問において、「縁」がどれだけ大切かを説いていらっしゃいました。先生に接したことのある、それぞれの人の心に、先生はいつまでも生き続けることでしょう。


posted by 忘却散人 | Comment(12) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
早稲田大学時代の指導教官だったのでたいへん残念です。
今年、明治書院で会えるかと思っていました。大学時代には、よく神保先生や雲英先生とは飲みました。
学問には厳しく人に優しい先生でした。
私には特に様という漢字の使い方を教えていただきました。
卒業してからもご指導いただきました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
Posted by 増子勝 at 2008年11月28日 05:15
増子さま。コメントありがとうございます。
たしかに雲英先生の「様」の字は、すぐに目に浮かびます。「学問に厳しく、人に優しく」。本当にそのとおりなのだろうなと思います。
Posted by 忘却散人 at 2008年11月28日 06:55
谷脇先生に先だって、雲英先生も星になっていたとは!

あのお二人は「同学年」で、ご健在なら来年の1月にそろって最終講義でした。

私は卒論が西鶴の「一代女」でしたので、谷脇先生からは(当方から出さなくても)年賀状が来ましたが、雲英先生からは、こちらからお送りすると几帳面なご返信が頂戴出来ました。東京生まれの私が現住地の愛知県豊橋市に転居した時には、留守電にメッセージを残していただいたのが今となっては懐かしい思い出です(雲英先生の出身地は愛知県幡豆郡一色町)。
神保五弥先生の「西鶴研究会」の末席も穢しておりました。

雲英先生とはいろいろありましたが、鎌倉の花火大会に学生仲間と見物に行った時のことが印象深いです。私はいま豊橋に住んでいますが、豊橋やら一色町やら三河地方は、花火がさかんな地域です。当時お誘いした時点では、そんなことは露も知りませんでした。
そういえば神保先生とは、王子の飛鳥山で花見をしました。すべては遠い夢の中の記憶です。
Posted by たっくん at 2009年11月28日 22:49
谷脇先生のところにもコメントをいただきましてどうもありがとうございます。
二先生のご逝去は、早稲田大学のみならず、日本近世文学会にとって、大きな痛手でありました。コメントを拝読して、両先生が学生さんに慕われていたこと、とてもよく伝わってきます。
学識だけではなく御人柄も素晴らしい両先生でした。
Posted by 忘却散人 at 2009年11月29日 10:34
雲英先生には卒論の指導教官として学生時代に本当に本当にお世話になりました!先生に実家の都合で大学に残って研究できないことを話すとせめて一年、国語国文学専攻科にいきなさいと薦めていただきました!大学を卒業した後、研究室に伺うと、地方では研究はなかなかできないだろうから、国文学会の資料を毎年送るからと笑いながらおっしゃっていました。酒もお好きで私が名酒越乃寒梅を持参するとよく手に入れたね!!これで晩酌するよ!ありがとう!とにこやかに笑う姿が最期の機会でした。心の支えを失い、今でも残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りいたします。
Posted by 増子勝(あがさクリスマス) at 2015年02月26日 05:28
増子さま。雲英先生の暖かいお人柄が偲ばれるお話ですね。どうもありがとうございます。
Posted by 忘却散人 at 2015年02月26日 06:49
東北復興応援ソングなどなど作成して非売品で配っております!「思い出の城、思い出の桜」「懐かしき会津の里」
ご縁ですのでぜひ応援してください!
Posted by 増子勝(あがさクリスマス) at 2015年06月25日 06:53
あがさクリスマスさま。関連HPなどあれば教えてください。
Posted by 忘却散人 at 2015年06月25日 07:48
最近日本初の擬古文解読法「現代文de学問のすすめ」を出版しました。
尊敬する雲英先生にもぜひ読んで欲しかったです! すれ違いでしたが、あの時、明治書院で会っていれば、私の人生も少し変わっていたかもしれないです。そして私の書籍の推薦文も書いていただいておれば世間の評価も高かったたかもしれないですね!!
毎年の年賀状を拝見すると、いろんな思い出が、頭によぎります!
Posted by 増子勝(あがさクリスマス) at 2015年09月19日 23:49
福島の県立学校を退職して、作家あがさクリスマスとして活動しております。現在、作品「荒野の月」「現代文de古文」などの書籍があります。大学時代、上坂先生に源氏物語をやらないか?と言われいたのを思い出して、源氏物語の全訳に挑戦しようと考えております。
今後ともよろしくお願いいたします!
Posted by 増子勝 at 2016年08月07日 08:11
お元気ですか、十年がかりでやっと源氏物語対訳「3分de源氏物語」TUVW(愛の四つ葉社)を出版しました。
大手出版社からは、一冊250万円と言われましたので、自分で出版社を立ち上げて安く仕上げました。今後ともよろしくお願いします。一応、早稲田大学と国会図書館には、寄贈しました。以前応えられなかったので、やっと恩師の期待に応えられたと思っております。
Posted by 増子 勝(あがさクリスマス) at 2020年05月19日 11:44
10年がかりのご労作のご上梓、おめでとうございます!
Posted by 忘却散人 at 2020年05月20日 13:34
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