四方田犬彦さんが『日本の書物への感謝』(岩波書店)という本を出されましたが、本屋で5分ほど立ち読みしました。
上田秋成のことを書いているので、そこを読んでみました。『雨月物語』「吉備津の釜」のことを称賛しています。
とくにそのクライマックスの場面について。亡霊磯良の襲来を防ぐために正太郎は、呪文を体中に書いて42日の間耐えます。その最後の一晩をやりすごして、「今は一夜にみたしぬれば、殊に慎みて、やや五更の天もしらじらと明わたりぬ」。この文章です。
正太郎はすっかり安心して隣の彦六を呼ぶ。彦六も安心して外に出てみると……。
この場面、「夜明けの詐術」とも言われていて、正太郎も、彦六も、そして読者までも騙されてしまうのです。この読者までもあざむく、叙述トリックともよぶべき語りについて、四方田氏は、「すごい」と激賞(立ち読みゆえ具体的な表現は忘れました)。私もかつて、同じように感じました。しかし………
このあとは、いずれ紙の媒体で、述べてみたいなと思っています。いつになるかわかりませんが。
2008年12月08日
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