2009年06月29日

過目抄2

荒木浩さんの「『源氏物語』宇治八の宮再読」(「国語国文」2009年3月)。副題に「敦実親王准拠説とその意義」とあって、そのとおりの内容だが、説得力があるように思う。従来の準拠説では実際の「八の宮」ではないが、敦実親王は「八の宮」。なおかつ、音楽に優れている人であること、宇治にもゆかりのかることなど。関連論考に「詞林」45号の「世を倦じ山と人はいふ」。

入口敦志さんの「唐冠人物の来歴」(「日本文学研究ジャーナル」3、2009年3月)。有名な豊臣秀吉の肖像画は唐冠をかぶっているが、秀吉以前には神・異国人しかその例がない。では秀吉肖像画はなぜ唐冠をかぶっているのか?という謎を提示。その謎解きが『帝鑑図説』論につながるワクワク感いっぱいの論文。その『帝鑑図説』受容についての概説は、「『帝鑑図説』受容概観―絵空事が現実に―」(『東アジア海域交流史 現地調査研究〜地域・環境・心性〜』、2009年1月)これら一連の論考は早く本にしてください!。

田村隆さん「硯瓶の水」(『語文研究』107、2009年6月)谷崎源氏の新訳で消えた場面、それはなぜか。これまた推理小説的な叙法。器用な筆さばきなり。田舎源氏も出てくる。

しばらく前に読んだものが多いのですが、書きそびれていました。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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