2009年07月20日
土用丑の日
忘却散人つれなる人とともに近くの商店街に買ひ物にゆけば、矢鱈と人多し。巷にては夏休みに入りしといふ。「何が夏休みならん、けふの夕食は何にせん」と言ひあひながら、よろよろと食品コーナーを歩みゆけば、良き香りせり。「土用の丑の日」とか書かれし旗幾本も立ちてにぎやかなり。散人、にはかに勢ひづきて「うなぎにせん、うなぎにせん。それ選べ、それ選べ」と大声にていふ。つれなる人もふるさと産の美味ならむを選びて、よろこびによろこぶ。日くれて、散人かうべを垂れていはく。「けふは食欲なし、うなぎは明日にせん」。連れなるひとも「われもなり。しかせん」。ふたりともに夏バテ気味なりしを忘れてゐたり。
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ウナギに限らず、よく世に言われている精のつく食べ物って、どちらかというと食べるのにも精がいるものが多いような気がします。
そんなものを食べられる人が食べるから、精がつくって思われているのかも知れませんね。