2009年08月05日

佐竹昭広集

『佐竹昭広集』の刊行がはじまり、第2巻が予告されている。岩波書店の『図書』8月号(現在中野三敏先生が連載中とあって、欠かさず入手できるようにしている)には、田中貴子氏の「浄土の猫は蓮に揉まるゝ」という佐竹学を語る文章が載っている。田中氏は、佐竹氏の「読む」ための学問について触れ、冒頭の文章の秀逸であることを紹介し、「はなし」の構造や、「抄物」の魅力への関心が、説話文学研究にとって重要な意味を持っていることを説いている。これに応えて編集後記も佐竹氏の「学問の精神」について熱く語っている。

とにかく佐竹先生(先生と呼びたくなる理由についてはかつて書いた)の文章は国文学者としては図抜けて洗練されている。それが巧すぎでイヤダという人もいるくらいである。その思考の深さもまた計り知れない。たしかに編集後記のいうとおり、国文学者の範疇を超えて、思想家といえる。

ただ、亡くなった時の新聞記事の扱いを見ると、俗人の私は、それがあまりにも小さかったのに、憤りを覚えた。もちろん先生はそんなこと、笑っていらっしゃるだろうが。今度の著述集の刊行で、佐竹学が広く知られるようになることはとても意義があると思う。というわけで、私も全巻購入することにしました。
posted by 忘却散人 | Comment(2) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『図書』の記事(田中さんのエッセイ、編集後記)、私も読みました。「佐竹昭広集」も、注文したところでした。編集後記で触れられている大谷雅夫さんの解説、楽しみですね。

Posted by 閑山子 at 2009年08月06日 17:56
閑山子さん。コメントありがとうございます。『万葉集抜書』(文庫版)も大谷雅夫さんだったと思いますが、どう違うのでしょうか。田中氏と佐竹氏の共通点は猫好きなところということでしたが、猫といえば、今西祐一郎先生も佐竹先生を引き継いでますね。ネクタイは全て猫柄だとか。そして今西先生宅の猫ちゃんを抱いた佐竹先生の写真(京大の国文学会報の追悼文集掲載)、あまりにもカッコよかったです。
Posted by 忘却散人 at 2009年08月06日 18:49
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