このたび、私の科研研究課題「上田秋成の和文作品本文の生成と変容についての研究」の成果報告書として、秋成の『文反古』注釈稿を刊行しました(2010年3月、A4判、122頁)
『文反古』は秋成75歳の文化5年に刊行された、和文消息(つまり擬古文的な手紙)集です。模範文例集のようでもあり、手紙のかたちを借りた私小説のようでもあり、友人たちの追善文集のようでもあります。非常に興味深い内容に満ちていますし、刊本とは別に草稿本や、関係の深い文集の存在もわかっており、それこそ秋成文学の「生成と変容」がたどれる貴重な材料だと考えています。
『文反古』は大学院の演習で読んでいたもので、学生の担当資料を元に、注釈作成チームが粗稿を作成していました。今回の科研での成果も織り込んで訂正を重ねてきたので、このさい報告書としての刊行も許されるかと思いまして、このような形でご教示を仰ぐことに。
とはいえ、間違いだらけ、不備だらけの内容だと思います。近い将来書籍のかたちで刊行したいと思っており、その中間報告として、ご批正を仰ぐのが目的です。
予算の関係で少部数。科研も使い切ってしまいました。広く配布することはできませんが、もし興味のある方がいらっしゃれば、ご連絡ください。
報告書表紙.pdf
2010年03月06日
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お出しになった報告書、「部数が限られる」由なのに大変厚かましいのですが、一部頂戴できないでしょうか。と言いますのも、浮世草子研究会で今春から輪読で秋成の初期浮世草子を取り上げることになっているものですから。可能ならどうぞよろしくお願い致します。
我々浮世草子研究会でも科研費の報告書を2月に出しました。『西鶴と浮世草子研究』3号別冊という形にして、同誌の定期購入をして下さっている方へ「付録」として一緒にお送りします。ただ、3号本体(年間誌のはずが大きく刊行がずれ込んでしまっています)の刊行が最後のところで又滞ってしまっているようです。お送りするのが遅れ、すみません。
では、西鶴研究会の折もよろしくお願い致します。また拝眉の折に。