書くべきことがたくさんある。しかしちょっと時間がないので、本来いくつかのエントリーで書くべきことを、まとめて書いてしまいます。乞御寛恕。
まず、『西鶴と浮世草子研究』第5号(2011年6月)が刊行された。原道生・河合眞澄・倉員正江の三氏編。見世物研究の川添裕氏を招いての座談会は、最新の研究を踏まえて浮世草子と芸能の関係を明らかにする。この雑誌は最終号であり、それを意識して研究誌研究メディアについてのエッセイ数編が載る。染谷智幸・倉員正江・篠原進の本誌編集側に、木越治・川平敏文と私。ちなみに私は「逆境こそチャンス」と題して書いた。文学研究の危機―なんとかしなければならないとみんなが思っているこの状況はチャンスとも捉えうると。楽観主義と笑わば笑えってとこである。
『上方文藝研究』第8号(2011年6月)。こちらは私どもが出している研究同人誌であるが、今号は100頁を越えて面目を保ったというところだろう。島津忠夫先生の「宗因と正方」冒頭に、尾崎千佳氏の「談林六世像賛」という新資料の紹介と考証、福田安典氏の忍頂寺務論、鷲原知良氏の忍頂寺聴松宛遠山雲如書簡の紹介考証、浅田徹氏の小澤蘆庵歌観に関わる資料紹介と考察、一戸渉氏の秋成新資料紹介考証、山崎淳氏の蓮体資料紹介考証…と、貴重な資料紹介が多いのが特徴。なお連載の「上方文藝研究の現在」は、最終回で上方文藝研究の会、すなわち本誌の母体である研究会を紹介した。こちらは本誌創刊の提案をした私が書いた。
同じ判型の徳田武氏率いる『江戸風雅』四号には、徳田氏の「血かたびら」の典拠論が載っていた。これとは別に木越治氏のブログによれば東京の秋成研究会の「血かたびら」の輪講では新見がいろいろと出たらしく、今後の論文化が楽しみである。
そういえばこの研究会にも出席している井上泰至氏の活躍が相変わらずである。『秀吉の対外戦争―変容する語りとイメージ』(笠間書院、2011年6月)という、金時徳氏とのユニークな共著を出している。「前近代日朝の言説空間」の副題を持つ本書は、今秋の日本近世文学会韓国大会に向けてタイムリーである。お二人の対談もあり。ちょうどこの話題はシンポジウムで金時徳氏の師である崔官さんが報告することになっている。私も『絵本太閤記』という作品のことをちょっと朝幕関係と絡めて考えたことがあって、井上さんがそれを引いてくれていたのは恐縮至極。まだあるけど続きはまた。
2011年06月18日
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