〈日本研究の新地平〉「歴史的典籍画像の30万点Web公開と国際共同研究」という国際シンポジウムを開催いたします。
国文学研究資料館では、『国書総目録』に掲載される約50万点の典籍のうち30万点の画像を公開するという、壮大なプロジェクトが始まっています。このプロジェクトは人文社会科学分野として初めての大規模学術フロンティア事業として位置づけられています。現在、国会図書館や早稲田大学を初めとして、古典籍の画像のWEB公開が進みつつありますが、国文研の計画はその総量が飛び抜けて多く、かつ現在WEB公開されている「古典籍総合目録」(国書総目録のWEB版と考えてよい)とのリンクも計画され、またタグ付けによって、たとえば「光源氏」などで画像検索を可能にするなどのことも検討されているようです。平成26年度から10年計画で出発しています。
このプロジェクトは、本画像データベースを使った国際共同研究もセットになっています(ただし、その予算は、画像データベースがまだ公開されていないということを主たる理由に現時点では下りていません。今後どうなるか)。画像データの収集公開と、国際共同研究を進める拠点として、20の大学が選ばれていますが、私の勤務する大阪大学もそのひとつです。
共同研究事業を主にになう文学研究科は、これに連携する形で、五件ほどあるクラスターという共同研究事業のうちのひとつを、「
日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築」とし、何人かの教員がこれに属して共同研究ネットワークの構築をめざしています。その一環として、このたび、大阪大学文学研究科と国文学研究資料館古典籍共同事業センターの共同主催で、下記の内容のシンポジウムが行われることになりました。
副センター長の山本和明氏が基調講演をし、国文研副館長の谷川恵一氏もいらっしゃいます。
大阪大学の源流とされている懐徳堂と適塾に関する古典籍を、大阪大学では優先的に公開する予定で、準備を進めているところですが、今回のシンポジウムでは、適塾や懐徳堂の原典資料を用いた研究をされている、海外の研究者お二方をお招きし講演をお願いいたしました。共同討議では画像データベースが国際共同研究にどのように活かされるかを議論していきたいと考えています。
入場無料ですので、この際、この大型プロジェクトの内容について知りたいという方や、画像データベースの公開やシステムなどについて要望のある方など、興味のある方は是非、ご参加ください。
日時 2015年2月18日(水) 13:30〜17:50
会場 大阪大学文学研究科本館2F 大会議室
プログラム
■開会の挨拶 三谷研爾(大阪大学文学研究科副研究科長) 13:30〜13:35
■基調講演 13:35〜14:30
日本語の歴史的典籍画像データベース構築計画について
発表 山本和明(国文学研究資料館 古典籍共同研究事業センター 副センター長)
司会 合山林太郎(大阪大学)
■招待講演 14:40〜16:40
1 世界の果てまで広がる日本の歴史的典籍と近世医学史研究
発表 エレン・ナカムラ(オークランド大学文学部・文化語学言語学学科准教授)
司会 廣川和花(大阪大学)
2 懐徳堂文庫所蔵典籍の画像データベース化と懐徳堂研究
発表 田世民(淡江大学日本語文学系助理教授)
司会 湯浅邦弘(大阪大学)
■共同討議 16:50〜17:50
画像データベースと国際共同研究の未来
山本和明、エレン・ナカムラ、田世民、飯倉洋一(司会)
■閉会の挨拶 谷川惠一(国文学研究資料館 副館長)
総合司会 飯倉洋一(大阪大学)
主催 大阪大学文学研究科 日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築クラスター
国文学研究資料館 古典籍共同研究事業センター
入場無料・申込不要・使用言語は日本語。
お問い合わせは、飯倉までメールで。iikura(アットマーク)let.osaka-u.ac.jp
2015年01月13日
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