2016年10月21日

『歳をとってもドンドン伸びる英語力』ってホント?

 実は私はハウツー本が結構好きで、本屋で立ち読みしたり、買ったりするのである。影響されて真似したりすることもある。佐藤可士和氏の、空間の整理→情報の整理→思考の整理などは、真似できないけれど、リスペクトしている整理学である。野口悠紀雄氏の『超整理法』もかつて実践していたが、挫折。
 英語学習についてもそうで、英語の勉強をしないくせに、英語勉強法の本が結構好きなのである。私の真の英語力を知っている人は笑うに違いない。それにしても、ドイツの4ヶ月半の滞在生活は、「あー、せめて英語でスムースに会話ができれば!」「この先生の(英語の)発表の大体の概要がつかめるくらいに聞き取れれば!」「このメールを辞書なしに読めれば!」と、痛切に思う毎日であった。それでも勉強はしなかったんだが。
 そういう時に知ったのが、鳥越晧之氏の『歳をとってもドンドン伸びる英語力 ノウハウ力を活かす勉強のコツ』(新曜社、2016年10月)である。筆者は大学の学長さん。この年になると、どっかで、「これからやってもねえ」という諦めがあるのだが、そういう我々にも勇気を与えるタイトルではないか。でもさ、本当かしら。
 実際、この本によれば、著者は68歳から勉強しはじめて、英語で授業が出来るくらいになったと。もっともこの先生は、英語で授業が出来るくらいの、元々英語の地力がある先生なのだ。「おまえ、自分と一緒と思うなよ!」と、当然自分で突っ込んでいるのだが、まあまあそれはそれとして、一般的な英語勉強法としても、これまで読んだ本の中で一番説得力があると感じたもので、読み流さずにメモまでとってしまったのである。といっても、九州への飛行機の片道で読んでの話だが。
 たぶん英語の勉強本でブログに紹介するのは初めてである。このごろは「とにかく勇気を出して話そう」とか「大声で話そう」とか、「毎日続けて」とか、精神論のような世界になっている英語勉強本だが(立ち読みしたところそういうのが多いような気が)、この本はなんか感覚が合う。
 さて、この本だが、歳をとると生物学的記憶力は落ちるけれど、ノウハウ的記憶力は伸びるという力強い仮説に立ち、自らの経験に基づいて展開するのだが、その独特のカワイイ語り口がまたなんともいえず、いいのである。
 で、私が、非常に感心したのは、この先生のけっこう赤裸々に書かれている実践報告である。参考にした本がたくさんあげられていて(ということはあまり役にたたなかった本も結構読んでるなと)、かなり英語勉強本を漁ったということがわかるあたり、すごく共感を覚えるし(もっとも私は勉強を実践できてないんだが)、インターネットで文例を探したり、yahoo質問箱まで出てくるところが微笑ましいし、すごく親しみを感じるのである。何より上から目線ではないのが最高に素敵である。
 単語やフレーズを覚えても「ザルに水」のように、どんどん忘れるけど、忘れてもいいんだとか、気が向かないときにはやらなくていいかもとか(それでいてそこはちょっと自信なさげだとか)、なにか安心する。たしかにシニア向けである。いろいろな英語勉強法を試してみて、自分に効果のあったものを勧めるというのが基本である。そういう勉強本を具体的に教えてくれるし、リスニングにいい番組や映画、英語DVDをみながら学習するときにいいソフト、Youtubeの具体的活用法など、とにかくすぐ試したくなるようなものばかりである。
 でも、さすがに学者として一流だと思うのは、たくさんの英語勉強本から、箴言のような珠玉の言葉を引っ張ってくるその的確さ。たとえば外国語は、上手にならなくても、ちょっと学んだだけでも実践すると意味があるっていうのは、まさしくその通りで、モチベーションが高まる。わずか数十語しか運用できないドイツ語でも、それを使えばドイツの人は喜んでくれるし、実際、驚くばかりにコミュニケーションが出来るということを経験した人がここにいますので、此れは真理です。
 一番負担がなく効果は認められる方法、「やさしい英文を朗読するだけ」っていうのは、すぐにも実践してもよう。といってたぶん長続きしないんだけど、それに罪悪感を感じることはないんだって。安心するよね!
posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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