2017年01月12日

「みんなで翻刻」が好スタート! 「みんなで翻刻」が好スタート!

 京都大学古地震研究会が10日にリリースしたWebアプリ「みんなで翻刻」が、スゴイことになっている。

 これは地震史料の画像を公開し、そこにアクセスした方に翻刻をしてもらうというものだ。一定のルールに基づいて翻刻してもらい、史料としての利用を便利にしようというものである。初心者でも参加できるように、このWebアプリの中には、くずし字学習支援アプリのKuLAが組み込まれている。PCでKuLAを使いたいというご希望も、私のところに寄せられていたのだが、この問題もこれで解決だ。

 約3000枚を公開、3日とたたず、300枚にすでに手がつけられ、100枚は翻刻が終わっているというのだ。全部終わるのに3年はかかるだろうと見られたのが、このペースでは半年以内には終わってしまう勢いだ。

 一つの史料には、誰でもアクセスできるので、間違いもどんどん訂正されていき、想像以上に正確な翻刻になっているようだ。だから遠慮せずに力試しのつもりで翻刻に参加してもらっていいのである。
 
 翻刻参加者がどんどん現れ、14000字翻刻した猛者もいるのだ。ランキング形式になっていて、誰が何文字翻刻したかが表示される。この翻刻史料を使って、研究も飛躍的に進むというものである。
 
翻刻はプロがするもの、という固定観念は崩された。一般の人でも読める人はかなり正確に読める。そして、力を合わせれば、相当正確な物になっていく。
 
 これって、いろいろなことに応用がききそうだ。
 たとえば「みんなで注釈」とか、「みんなで翻訳」とか。後者はすでにあるかもしれないですね。
そして、この「みんなで翻刻」プロジェクトに、次なるビッグニュースがありそうだ。しかしそれはまた、後日報告となるだろう。ワクワクするような話なので、どうぞお楽しみに。
posted by 忘却散人 | Comment(2) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
プログラマーなら AI でやりたいかも。
それが出来たら日本中の古文書をデジタル化出来る。
Posted by at 2017年01月12日 23:46
コメントありがとうございます。もちろん、そちらの研究も進められているようです。日本中の古典籍・古文書をテキストデータ化するという夢のような話は、不可能ではなくなってきているのですね。とはいえ、テキスト化された文書は、文書の一面を抽象したにすぎないので、文書学自体はなおさら盛んになるでしょう。
Posted by 忘却散人 at 2017年01月13日 10:32
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