2017年01月20日

高麗大との研究交流で思ったこと

 昨日、高麗大日語日文科の先生お二方、学生さん三名が、大阪大学文学研究科日本文学研究室を訪問され、研究交流などを目的とするワークショップが開催された。
高麗大から3名、阪大から3名、それぞれ大学院生が20分の枠で発表。活発に質疑応答が交わされた。
高麗大側の発表は、時代・ジャンル・研究領域を超える発想のものばかりであり、日本文学研究側は、細部の実証的手続きを踏まえながら大きなテーマへの飛翔を模索するものであった。ここでは高麗大の発表について記す。
 高麗大側の発表は、@『平家女護島』と『平家物語』、また芥川などを引いて、俊寛とその周囲の人物イメージの変化を捉えようとするもの、ANHK大河ドラマにおける家康と三成の人物像の変化から日本の歴史観・文化観を探ろうとするもの、B日本の武士道の淵源に、鎌倉時代の東国武士の性格があるのではという仮説を主張するもの。というもので、これは日本における日本文学系の学会では、いずれも「ない」発表である。
 NHK大河ドラマについては、原作や脚本の志向・個性、小説・マンガ・ゲームなど他メディアでの扱われ方など、(日本的研究でいう)手続き的な問題についての質問も当然でたが、それ以前に、大河ドラマで日本思想、日本文化を論じると言う研究領域があるらしい(結構先行研究があって)ということが軽い驚きであった。一見、学問的に無理がありそうであるが、そういう問題設定が成り立つというところに、韓国からの日本の見方を理解する鍵があるように思う。つまり発表の中身よりも、発表の問題意識の方に興味を引かれるのである。
 もっとも高麗大の学生たちも、日本側の質問に虚をつかれたり、参考になったと、心から思っているらしいということで、この研究交流の意義はあったと思う。懇親会でもいい意見交換ができた。佛教大学の大学院生のTさん、わざわざ来ていただきコメントもいただいて感謝。また阪大の日本文学・国語学の教員の方が多く参加していただき、貴重なコメントをいただいたことにも感謝したい。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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