2017年06月30日

河村瑛子さんの「かたち」考

国語国文つながりで、同じ『国語国文』(2017年5月)に、河村瑛子さんの「「かたち」考」が載る。
河村さんは名古屋大学の塩村耕さんの門下だが、現在京大助教。非常に優秀な方で、人柄も温和。
塩村さんから受け継いだ『類船集』を用いての語彙考は、今やお家芸と言うべきで、これがまた京大の学風と親和性が高いのである。今回の論考は、芭蕉の用いる「かたち」の意味を、明晰に論じたものだが、やはり『類船集』から入り、「かたち」という語彙の豊かさに気づかせてくれる。そう、「かたち」という語彙は、文学の普遍的な問題を考えるのにつながるので、単なる語彙考に終わらないのである。
ただ、願わくば、冒頭の『笈の小文』に戻って、その読解を見せていただきたかったが、それは読者への宿題だろうか。
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