2017年10月27日

庭鐘読本の男と女

『国語と国文学』2017年11月号、「近世文人の文学」には丸井貴史「庭鐘読本の男と女−白話小説との比較を通して−」も掲載されている。
 丸井氏は学生時代に1年間中国に留学、その後も研鑽を積まれ、いい仕事を次々にされている。特に、白話小説をきちんと読み込んだ上での、文献的・作品論的研究に成果を上げている。
 本論文もそのひとつである。都賀庭鐘の読本が白話小説の影響を受けているのは周知のことであるが、これまでの研究は、典拠論が中心だった。しかし、この論文は庭鐘の白話小説体験を総合的に検討した上で、「男と女」の問題に迫っている。中村幸彦先生以来、都賀庭鐘は「女性に厳しい書き方をする」というイメージが出来上がっている感があるが、庭鐘が読んだに違いない複数の白話小説を丁寧に分析し、その問題をジェンダー論なども意識しつつ、考察している。
 結果として、中村幸彦説を相対化することに成功している。庭鐘研究史の上でも重要な位置を占める論文になるだろう。庭鐘研究が盛り上がるのは非常に嬉しい。なにしろ庭鐘は「奇談」作者なので(笑)
posted by 忘却散人 | Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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