2018年01月05日

『国語元年』解説を読む

あけましておめでとうございます。
本年の初更新です。

平成30年1月1日の日付で出た、新潮文庫、井上ひさしの『(新版)国語元年』。
解説を担当したのが、我が同僚でもあり、畏敬する後輩でもある岡島昭浩さん。
ネットの世界では、著作権の切れた書物のPDF画像を公開する「うわづら文庫」を主宰。その元になる青空文庫にも深く関わり、「国語学備忘録」などのWEBサイトなどでも知られる。
この解説を依頼したのが、新潮文庫編集担当のSさんらしいが、素晴らしい人選である。
この本には感想めいた解説ではなく、国語学の知識をきちんと踏まえた解説が絶対に必要だと思うからだが、実際岡島さんの解説は圧巻というべき蘊蓄に満ちていて、しかもこの作品をより深く味わえる情報を多く提供しているのである。
この解説にちょっとした既視感があった。井上ひさし作品のモデルや出典の詮索を楽しそうにしていくスタイル。ヒントはこの解説の終わりの方にある。井上ひさしは中野三敏先生と「国文学」誌でかつて対談をしていることを岡島さんは書いている(私も読んだが、「井上ひさし特集」の号であったその雑誌の対談では、中野先生が喋りまくって井上ひさしがほぼ聴き役という形になってしまった・・・。井上ひさしが希望して指名したということだったが)。中野先生は、井上ひさし『戯作者銘々伝』の文庫本の解説を書いた。原稿用紙30枚分くらいあったようだが、1日で書いたとおっしゃっていた。その解説は、それぞれのモデル・出典を次々に明らかにしていくというスタイルだった。岡島さんが解説を書くときに、この中野先生の解説が脳裏にあったのではないか?
なんていう憶測はともかく、この本は、本編と解説を両方楽しめる贅沢な本なのである。これは確かである。ちなみに岡島さんを起用したSさんも、岡島さんの(つまり私の)後輩に当たるのである。

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