松尾譲兒氏『書肆柳枝軒と古梅園』(『名古屋大学国語国文学』110、2017年11月)。
古梅園とは、言わずと知れた奈良の製墨の老舗。そこにある資料調査については、2009年から2011年の科研事業(代表者は大谷俊太さん)で、悉皆調査が行われ、報告書が刊行されたことはこのブログでも既報した。
その後も、文化庁の「文化遺産を活かした地域活性化事業」として研究が進められていたようである。その成果は、『近世奈良墨資料T・U』として公刊されている。関連資料の影印・翻刻・現代語訳という丁寧な仕事である。そのプロジェクトに従事しつつ、研究論文をものしたのが、松尾氏である。どうも幼少期を長崎で過ごされたことがあるらしく、私も長崎人だけに、なんだか懐かしい。この論文では古梅園と柳枝軒との間に縁戚関係があり、柳枝軒は古梅園の販売代理店をしていたことなどが明らかにされている。また成嶋道筑や野呂元丈宛の書簡も紹介・解説されている(全文は、上記『近世奈良墨資資料』にあり)。古梅園・柳子軒の研究をしている人は必読。
2018年02月27日
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