2018年10月24日

芭蕉の手紙展を観る

前に案内をこのブログでしていましたが、実際に見てまいりました。
今日はゼミのメンバーで「芭蕉の手紙」展見学。この展示を担当した辻村さんにギャラリートークをお願いし、みっちり90分解説していただいた。

手紙というのは懐紙などのハレの文字とは違い、”素”がうかがえる文字であるので、筆跡鑑定にも重要な資料であること。
その中でも、人によって、中身によって、芭蕉は書き方を変えている。
たとえば、女性への手紙と男性への手紙、明らかに書きぶりが違う。
また、スケジュール調整をするような手紙、俳諧について論じるような手紙、これまた違う。
とくに、「風雅」を述べる手紙は、特別の思い入れがこもるような書きぶりとなる。
だから、芭蕉の手紙を活字で読んでも、それは、十分に読んだことにはならない、のである。
非常に共感する解説である。秋成の書簡にもそれと同じことが言えるのである。

今回、初めて展示される新資料もあり、俳諧研究者も必見であるし、芭蕉の愛読者にもぜひ観ていただきたい。

さて、図録の表紙、いろいろ仕掛けがあったんですね。いろんな方向からこの表紙をながめると、ああっ!という仕掛けが。そしてそこに籠められた意味、説明されてなるほどと唸りました。ぜひ、図録を手にされた方は、トライしてください。

さらに、芭蕉の文字でつくった変体仮名表「芭蕉のくずし字」クリアファイル!これはくずし時の勉強にもなるし、お土産にも最適ではないだろうか。
いい展示ですので、お勧めです。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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