2019年01月04日

新選百物語

あけましておめでとうございます。

本日仕事はじめで早速会議でした。

それはともかく2019年の初投稿である。昨年紹介したかったのに紹介しきれない本が数冊。
そのうちの1冊が、『新選百物語』(白澤社、2018年11月)。
ハンディな造本だが、これ、〈江戸怪談を読む〉叢書の1冊である。監修は篠原進さん、翻刻・注・現代語訳は教え子の岡島由佳さんである。
百物語の翻刻は、藤川雅恵さんの『御伽百物語』に続いてで、ありがたい。堤邦彦さんと近藤瑞木さんという、近世怪談研究最前線のお二人がコラム執筆というのも贅沢。
さて、明和五年(1768)に大坂で刊行されたこの本、浮世草子っぽいところがあるが、例によって「奇談」書のひとつである(「奇談」書については何度も書いてきたが、『日本文学』2012年10月号の「近世文学の一領域としての「奇談」」が概観的なもの)。未翻刻の「奇談」書が翻刻されていくのは、「奇談」書研究者(?)としてはまことに嬉しい限りでして、着々とひとつひとつ進んでいるのです。版元の吉文字屋も「奇談」書の担い手の一人で、作者でもあり、版元でもある。江戸時代は本屋作者って結構いるのですよね。さて、明和五年といえば、秋成が『雨月物語』を脱稿した年(序による)ということになっているが、かなり味付けが違うにもかかわらず、女性の嫉妬を主題とする類話もあって、比較すると興味深いと思う。
岡島さんには、『新選百物語』についての論文もあるが、その一部をここで披露してもよかったのではないかと思ったが、本書では解説を師匠が担当したのですね。


posted by 忘却散人 | Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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