2019年04月25日

コレクション日本歌人選 蕪村


揖斐高『コレクション歌人選65 蕪村』笠間書院、2019年1月刊。
蕪村を「仮名書きの詩人」と言ったのは上田秋成。これは上手いコピー。当時の「詩人」とは漢詩人のこと。
そして、句を読み解くのは、漢詩の専門家の揖斐高先生である。この人選絶妙。揖斐先生、50の句を、「故郷喪失の自画像」「重層する時空」「画家の眼」「文人精神」「想像力の源泉」「日常と非日常」の6つに配した。とりわけ、蕪村句の時間に注目している点、面白く読んだ。そして「想像力の源泉」に「月の宴秋津が声の高きかな」の句。「酔泣の癖」(泣き上戸)のあった古代の人物秋津を想像して創作した句だが、この秋津、『春雨物語』の「海賊」に出てくる。これを重視した日野龍夫先生の「海賊」論(上田秋成と復古)を、思い浮かべてだろう、「海賊」のことに触れつつ評釈している。これは私としても嬉しいのだ。日野先生も、タイガースと同じくらいに蕪村が好きだったと、蕪村を論ずる文章で書いておられたな。おふたりとも漢詩文研究の専門家だが、ロマンチスト(これは私の勝手なラベリングだが)で、蕪村好き。いろんな意味で、じんわりとくる本である。
ということで、少し前に出た本を、ぼちぼちとまた紹介してゆきます。
【追記】ご指摘を受けて、文章を一部削除しました。実は歌人コレクションに名を連ねた俳人は蕪村だけ、などと誤った情報を流していました。伊藤義隆さんの『芭蕉』が第2期にありました。伊藤さん、ごめんなさい。m(_ _)m
posted by 忘却散人 | Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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