2019年04月27日

馬琴と演劇

 日本近世文学研究のいまの30〜40代で活躍している人たちを思い浮かべると、前エントリーで書いた小林ふみ子さんもそうだが、長島弘明門下の人が多く、またそれらの人々がほとんど博士論文を中心にして、研究書を既に出版していることに改めて気づかされる。これも長島さんの指導の方針なのだろう。まもなく某社から、長島さんの東大退休記念の、ユニークな本が出るときいたが、そのラインナップを見ても、これだけの研究者を育てたのか!(まあ勝手の育つ面もあるが)、と驚かされるのである。
 その一人が大屋多詠子さんである。かつて大高洋司さんの読本の研究会でご一緒して以来は、学会以外でお会いすることはなかったが、今回、立派なご本を出された。
 これも新刊紹介としてはちょっと遅れていますが、花鳥社から出た『馬琴と演劇』という文字通りの大著である。およそ700頁。そのうち馬琴と演劇の関わりを正面から論じたものが10本ほどある。いつのまにこれだけ書きためていたのですね。
 附録として、歌舞伎台帳『園雪恋組題』翻刻、『加古川本蔵綱目』影印・翻刻・注釈。そして文化年間読本演劇化年表は労作である。
 一口に演劇との関係といっても、演劇から受けた影響、読本の演劇化、その背後にある演劇界・出版界の状況など、さまざまな問題がある。河合真澄さんの論集が屹立していた感があるが、それに続く論集の誕生である。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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