2019年04月28日

近松時代浄瑠璃の世界

 韓京子『近松時代浄瑠璃の世界』(ぺりかん社、2019年3月)。
 前のエントリーからの繋がりで、この本を取り上げる。
 長島弘明さん門下であり、しかも大屋多詠子さんと同じ青山学院大学に奉職された韓京子さんの論集。
 私は近松浄瑠璃の論文について、専門家として評する資格はまったくないので、全く個人的な感想であることをまずお断りしておきたい。
 近松といえば、どちらかといえば世話物が人気であろう。義理と人情の葛藤に悩む人間の真情、日常の中に突然やってくる陥穽のリアリティ・・・・、そういう近代的な個人の問題が、先取りされていることを評価されてきたように思う。
 しかし、江戸時代の浄瑠璃の本道はやはり時代物なのだろう。近松においてもしかりではないのだろうか。
 韓さんの論集は、時代物の考察の中でも、まず「趣向」を問題にしている。「趣向」とはすぐれて近世的な問題であろう。つまり、近松を近世的に読む、というのが韓さんの一貫した姿勢であり、それはやはり長島さんの指導の賜物ではないかと思うのである。

 
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