2019年09月08日

古典文学の常識を疑う U

『古典文学の常識を疑う』の続篇として、『古典文学の常識を疑う U 縦・横・斜めから書きかえる文学史』(勉誠出版、2019年9月)が出ました。前著の時もここで紹介したが、今回は私自身も、一項目を担当している(「秋成の学問は創作とどう関わるのか」)ので、またまた紹介させていただく。
 編者は、松田浩・上原作和・佐谷眞木人・佐伯孝弘の各氏である。「はじめに」では、元号「令和」の出典である『万葉集』をめぐっての安倍総理の談話を引く形で、研究最前線ではすでに否定されている古典文学の常識がまだ根強いことを例示するなど、なかなか攻めている感じである。歴史でもそうだと思うが、日本古典文学でも、いわゆる定説・常識が本当に根強い。私が担当した上田秋成にしても、秋成は怪異作家であり代表作は『雨月物語』というのが「常識」だろう。しかし、秋成研究の最前線では、その認識はもはや古い常識なのである。このブログでも何度も書いてきたが・・・。そのような定説と研究最前線の認識がかなりズレている例はたくさんあり、それゆえに、今回の第2弾となったのであろう。
 第1弾の時と同様、全体としては「ここが知りたい、古典文学」というのがコンセプトのように見受けられる。必ずしも常識をくつがえすだけではなく、古典文学への新しい視点の提示である。日本文学研究者・国語教育関係者・日本文学愛好家には、必備書といってよい。
 このテーマは、第3弾もありうるかな、と勝手に期待している。その時は、「古典文学は役に立つのか」「古典文学はポリコレ的に問題なのか」「古典文学不要論にどう反論すべきなのか」「古典文学は好きな人が読んでいればいいのか」・・・・というテーマも立てて欲しいですね(笑)。あ、別の出版社の企画でもいいですけど。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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