2020年01月19日
近世文藝111の怪談研究
今年はゆえあって、近世怪談の研究をなるべくフォローしてゆきたい。で、第1弾は昨日届いた『近世文藝』111号(2020年1月)。ほんとにメモ程度で申し訳ないが、触れておく。森翔大氏「林義端怪異小説の典拠」。「浮世草子怪談」と位置づけられている義端の『玉櫛笥』の典拠として、室町物語の『業平夢物語』と、中国明代小説『続艶異編』を指摘する。義端が古文辞学派の儒学者であり本屋でもあったことで、これらのメジャーとはいえない本の知識があったとする。しっかりとした典拠考。伊與田麻里江氏「山東京伝『復習奇談安積沼』の創作手法−敵討物草双紙からの影響をめぐって−」。南杣笑楚満人の黄表紙『敵討沖津白波』の利用を検討し、京伝読本形成の試行錯誤の跡を示すものと位置づける。
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