2022年12月24日

うすがみの銀河

私の教え子のひとりに、角川短歌賞を受賞した気鋭の歌人がいる。
鈴木加成太くんである。私の元で黄表紙で修士論文を書いた。論文も発表している。
彼が第一歌集を出版した。『歌集 うすがみの銀河』(角川書店、2022年11月)。

歌は透明感があって繊細で、切り口が独自。静かで落ち着いた日々の中で、注意深い感受性が切り取った穏やかな世界が表現されている。
読んでいる時間は至福の時間。
坂井修一さんたちの「栞」の文章もそれぞれ興味深い。NHK短歌で坂井さんとの出会いがあったという。
その歌、「八月の空に青葉のあお満ちて〈戦争は白黒でない〉と気づく」17歳の時の歌。たしかに非凡である。
大学キャンパスで詠まれたと思しい歌も散見して、楽しめた、
「菊花の約」も詠まれた「お辰宗旦」の一連、近世文学研究者の面目躍如というところ。

カバーは川瀬巴水。国会図書館のイメージバンクから。おお、なるほど。さすがライブラリアン。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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