2024年02月02日
水市断章(シリーズ大阪本4)
「水市」は水の町=大阪の意。「我が大阪の記」と副題された肥田晧三先生の珠玉のエッセイ集。大阪芸能懇話会の『芸能懇話』別冊として、肥田先生米寿記念に刊行されたもの。70を越えてから書かれた短文をまとめて1冊にしたもの。「水市断章」は、「永井荷風の訳したアンリ・ド・レニエの詩篇に付けられたのを借用」されたものとか。2019年2月刊行。個人的に面白かったのは「生玉人形」これは大阪の郷土玩具。「『大阪府立高津高等学校バスケットボール部七十七年史』」。そういえば肥田先生、昔の方の割には背がお高かった。私も高校の途中でやめたとはいえバスケットボール部だったので、勝手に親近感をもつ)。「『在津紀事』私記」。「青春の文学」とおしゃっている。これまた大学院の時、中野先生の演習で読んで、最初の担当となり3、4週連続で発表したので、私にとっても青春の書。「「雪」の作詞者二百年」。最近研究室の片付けをしていたら肥田先生のお手紙が出てきた。大阪歴史博物館「上方舞山村流」の特集展示のため、忍頂寺文庫所蔵の『歌系図』を出してほしいとのご依頼で便箋数枚にわたる。「雪」の作者のことについていろいろ書いてある。『歌系図』はその「雪」の作詞者流石庵羽積の著述なのだった。その羽積のことが書かれている。「河合ダンス物語」。これは貴重なエッセイ。宝怐E松竹と並んで人気だった女性舞踊グループ河合ダンス。宗右衛門町の北笠屋町の角から西へ五軒目のお茶屋「河合」の主人が創設。「道頓堀文学展望」。こちらは近代文学で道頓堀を描いた作品を紹介。などなど、肥田先生ならではのお話満載。
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