2024年03月31日

古典の再生

盛田帝子編『古典の再生』(文学通信、2024年3月)が、本日付で刊行されました。
この論集は、2023年2月に、京都産業大学むすびわざ館を会場に、2日間にわたっておこなわれた、国際シンポジウム「古典の再生」におけるパネリストは発表とディスカサントの議論を元に成ったものです。ハイブリッドで行われたシンポジウムには、460名以上の人が参加登録をしました。私も、シンポジウムの運営と書籍の編集に多少関わりました。
執筆者は、
第一部「再生する古典」…エドアルド・ジェルリーニ/盛田帝子/ロバート・ヒューイ/アンダソヴァ・マラル/荒木 浩
第二部「イメージとパフォーマンス」…楊 暁捷/佐々木孝浩/ジョナサン・ズウィッカー/佐藤 悟/山田和人
第三部「源氏物語再生史」…田渕句美子/松本 大/兵藤裕己/中嶋 隆
第四部「江戸文学のなかの古典」…山本嘉孝/ユディット・アロカイ/飯倉洋一/合山林太郎/有澤知世
第五部「WEBでの古典再生」…永崎研宣/幾浦裕之/藤原静香/加藤弓枝
という豪華メンバーです。このうち楊暁捷さんはシンポ開催時にはご逝去されていましたが、遺された動画を「再生」し、書籍ではこれを書き起こしました。楊さんに書籍版を見せてあげられないのは残念ですが、ご家族のもとに届けられることになっています。楊論文の書き起こしと図版配置は松本大さんと飯倉が担当しました。これだけのメンバーの力作論文が並ぶのは壮観であり、かつ本書は447頁で本体価格2800円です。かなりお買い得感あると思います。大学の書籍部などでは3000円以下で買える本です。
 さて、シンポジウムと各論文から見えてきたのは、「古典の再生」とは古典の復元や再現というところが大事なのではなく、未来につなぐ営為という、いわば古典のもつ可能性であり、論者はそこに光を当てたいうことでした。
 実はシンポジウムの翌日、登壇者14名が集まって、「古典の再生」について、みっちり2時間の議論をしました。かなり熱のこもった激しい意見の応酬となりましたが、これも論集には反映していると思います。どうぞ手に取って御覧下さい。
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posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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