恒例の学会記。2024年秋季大会は、観光シーズンまっただ中の京都、佛教大学での開催。ホテルを取るのが大変だったようだ。取れても洛中ではないビジネスホテルで2万円ちかくとか、奈良にやっと取れたとか。
佛教大学のキャンパスは大変立派で、清潔で、快適な空間であった。
土曜日は、研究発表4本、その中で道外役嵐音吉に関する発表があり、この役者は戯作評判記で作者の力量を役者に喩える描写で、「もたれ気のない」のが嵐音吉みたいと評されていたので、興味を持って聴いた。ついつい質問してしまったが、拙著を読んで下さっていたので、既に承知していたようであった。
日曜日は、午前中に国文研の大型プロジェクトの「データ駆動」に関わるシンポジウム。我々は「データ駆動」=「データ活用」と思ってしまうのだが、実はそうではないようである。我々がやりたいことを実現するためにデータを活用するのは「要求駆動」だという。そういえば、3月の人文学情報研究所主催のシンポジウムで、海外のデータ駆動研究の第一人者の話を聞いたことを思い出したので、フロアからのコメントを求められた時に、ちょっと発言をしてしまった。今回のシンポジウムでは、「データ駆動」というのが何なのか、ということをまず問わねばならないことが明らかになったということだろうか。
午後ラストの大谷俊太さんの発表は、江戸中期の名もない歌人のとんでもない歌集の紹介。超有名な古歌を「直し」て、初学者の参考にするという、異色の歌集である。まさに近世中期の「畸人」の一人と言ってよいだろう。
浜田泰彦氏をはじめとする佛教大学スタッフ、実行組織のみなさん、事務局のみなさん、登壇者のみなさん、お疲れ様、ありがとうございました。
2024年11月17日
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