現代語訳を担当するのは、『大才子 小津久足』でサントリー学芸賞を受賞した菱岡憲司さん。小津久足や馬琴を研究する近世文学研究者であるが、知る人ぞ知る大読書家である。その読書の蓄積が、この現代語訳にきっと生きている。ちらっと読み始めると、やめられなくなる。2時間くらい確保できそうなら読んでみましょうか。
現代語訳ではあるが、きちんと注がつけられていて、読者を助ける。挟まれている栞には、登場人物の紹介が。これはいいアイデアである。
そして、特筆すべきなのが、全挿絵の収録。しかも画師は北斎だ。超一流の作者と画師のコラボ作品として、存分に味読しよう。
そして、毎巻、巻末につけられる解説。第1巻は、馬琴の生涯、第2巻は、馬琴の小説作法として有名な「稗史七法則」を解説しつつ、それを『椿説弓張月』に応用してみせる。
さらに、帯によれば、3巻を9月、4巻を11月、5巻を12月に刊行するというのだ。早いね、仕事が。「べらぼう」放映中に全部出そうって魂胆ですかい?
こりゃまたありがた山の寒がらす。解説にもありますが馬琴は蔦重の手代でしたからねえ。恩返し?

