先日、ドイツのボン大学日本学科の図書館に所蔵されている、トラウツ・コレクションの和本を見る機会を得ました。教授のマイヤー先生と、司書のランパルトさんの大変なご厚意で、充実した時間を過ごすことが出来ました。フリードリヒ・マックス・トラウツ(1877-1952)は、日本ではそれほど知られていない人かも知れませんが、彼の日本研究と、彼の残したコレクションは大変価値のあるものです。今回、私もそのことを初めて知りました。和本だけではなく、明治初期の日本・韓国・中国を知る写真や絵葉書など、すばらしいアーカイブとなっています。2019年にボン大学博物館で開かれた「トラウツ・コレクションー日本研究者フリードリヒ・M・トラウツが遺した視覚資料ー』の図録+論考にあたるのがこの本です。マイヤー先生にいただきました。
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いくつか紹介されているコレクションの一部の画像は、きわめて興味深いものばかりですが、とりわけ20世紀初期の写真の数々、そして、1936年、トラウツが日独友好記念に沖縄の小学生から受け取った葉書は、とくに印象的です。これらのコレクションは、未亡人のヒルダ婦人のご尽力によって整理され、大部分がボン大学日本学科へと寄贈されました。
それぞれの論考には日本語訳も付されているので、苦労なく読むことができるのですが、大変読み応えのあるものばかりです。シーボルトの『日本』の出版にも尽力したトラウツのことは、もっと知られてよいでしょう。

