2025年11月20日

電車読書で『百年の孤独』

 電車読書で『百年の孤独』を読了した。文庫本が出て半年ぐらいで購入(12刷)し、すぐ読み始めたが、100数頁で挫折していた。それで9ヶ月くらい放置していた。ところが最近ふとしたことで、また読み始めたら、読み始めと違って、めっちゃ波長が合い始め、面白くなってどんどん進み、ついに読了。なかなかの満足感である。研究とかは読んでいないし、全くの趣味なので、いいかげんな感想に終始します。
 まず、その筆力が圧巻でした。この物語自体、虚実ないまぜのメチャクチャな展開で、筋を紹介することはやめときます(紹介する能力もない)が、部分的にはすごく粘着質でリアルな文章が出てきます。ありえないことなのにリアルです。そして、登場人物の会話で筋が運ばれるということがほぼなく、そういうのはわずかで、なにか巨大な力が、物語全体を押し出していくような、圧倒的な量感があります。どんどん話が展開する。前触れもなく人が死ぬ。その展開の速さにもかかわらず、ひとつの人物の行為を徹底的に全面的にしつこく描く。そのバランスが違和感ないところ、すごい。訳者の才能もあるかなあ。
 安部公房や大江健三郎が影響を受けたというけれど、そういえば、安部公房の超現実主義的な小説を思い出すような文章である。
 登場人物たちは、簡単に言うと異常な人物だらけですが、それでもリアルで、少し想像力を働かせると、映画化・ドラマ化もできるだろうなと。事実、ドラマ化されているらしい。見たいとは思わないが。
 ある一家の百年の物語(あるいは歴史)である。なにが孤独なのか? それを言うのは簡単なような難しいような。まあ、最後は一人だからっていうのがわかりやすいけど。同じ名前が繰り返し名付けられる家系なので、読むときにこんがらがるが、それも途中までで、ある程度進むと、感覚的に理解できてきた。全体として、いったいこの家は建築学的にどういう構造になっているのか?ってのがさっぱりわからないのだが、それでも構わない。金策や食糧調達がめちゃくちゃ大変そうなのに、なんとかなっているとか、そのメチャクチャさ加減が、魔術のように絡み合って、唯一無二の世界をつくっている。〈魔術的リアリズム〉と言われているらしいが、それ!言い得て妙ですな。
 個人的には、最初から登場して、長い間この家を実質支配してきた、ウルスラ・イグアランが好きだ。150歳くらいまで生きるんだが。
 まあ、読んでいない人には何を言っているかわからないだろうけど、読んだ人からも「ちょっとなにいっているかわかんない」と言われかねない感想でした、我ながら。書いておきたかったのです。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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