2008年04月15日

西田耕三論

「文学・芸術・文化」(近畿大学文芸学部論集)19巻2号、2008年3月に、「生涯・万物の霊・主人公―西田耕三の「起源」―」を発表し、このほど刊行されました。西田耕三氏―、東大文学部哲学科を卒業後横浜市役所に勤務し、のち都立大学で国文学を研究。はじめ平家物語、説経を論じ、のち仏教説話・近松・西鶴・芭蕉など幅広く近世文学を論究、近世文学研究者の中でも屈指の理論派としられる存在です。西田耕三氏との出会いはもう25、6年前にさかのぼるでしょうか。Q大の近世文学の研究会に久し振りに顔を出したという西田氏と2次会、3次会とご一緒し、感化をうけやすい年ごろだったので、感激し、語りあかしましょうと、下宿にまできていただいて、冬の寒い夜をこわれたこたつで震えながら文字通り徹夜で語り明かし、歌い明かし、なぜか朝から空いていたラーメン屋でラーメンを食べて、松本清張の『点と線』に出てくるK駅で別れたという壮絶な出会いがありました。以来、いつかは西田耕三論を書いてみたいとずっと思っていたのですが、昨年冬、思いがけずご依頼をうけて、制限枚数なしという条件で書評を書くことを許していただきました。その時は、1か月で3本の締切があったのですが、もちろん引き受け、私なりにきわめて未熟ながら西田耕三論として書いたつもりです。内容は3つの西田氏の著書の書評を柱にしていますが、狙いは西田論です。完全に時間不足だったのですが、時間があったからといってこれ以上のことは書けなかっただろうと思います。
雑誌では「書評」として扱われましたが、私としては西田耕三論のつもりで書いたものです。原稿用紙で20数枚だったと思います。
posted by 忘却散人 | Comment(3) | 私の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、お邪魔します。blogをやっておられるとは!進んでらっしゃいますねー。そんなことが問題ではなく、何にしても、書いてある中身が濃い!
西田耕三論、読ませていただきました。国文学研究の可能性を感じさせてくれる、論だと思いました。ちまちました典拠の指摘や注釈力では国文学は人文系学問の中でもトップクラスだと思いますが、これと同時に、西田先生のような問題提起まで持てるのですからね(西田さんがそれを同時にやっておられ、それを理解している飯倉主人がいる、という)。ともかく感銘をうけました。(月に3本かかえておられた、ってのもすごいですね)。
Posted by 高橋半魚 at 2008年04月22日 17:46
これはこれは、いらっしゃいませ。必要にせまられてある研究会の連絡等をブログを使ってやることになり、それをおっかける形で自分のブログもつくってみました。ともあれコメントありがとうございます。この世界では有名な半魚さんのコメントをいただけてありがたいです。
Posted by 忘却散人 at 2008年04月22日 22:55
はじめまして。夜分遅くに失礼致します。

2008年4月15日に書かれている記事、拝見させて戴きました。
非常に親密な間柄だという印象を受け、ご連絡をさせて戴きました。
実は、内密にお願いしたい事案がございます。お話だけでもお聞き下さることをご容赦下さいますならば、申し訳ありませんが掲載しておりますアドレスまでご返信をお願いいたしても宜しいでしょうか。
Posted by つくし at 2010年11月13日 22:42
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