2026年04月23日

近世大坂の遊興文化

関西大学博物館(千里山キャンパス簡文館)で、春季企画展「近世大坂の遊興文化」展が開催中である。
関西大学なにわ大阪研究センターにおける【公募研究班】「近世大坂の遊興文化と出版の研究ー名所・芝居・花街を中心にー」(研究代表者、山本卓)の研究成果を公表するもの、ということである。とにかく関西大学にはすばらしい蔵書があまたある。また、鬼洞文庫、中村幸彦文庫、長澤文庫、長谷川貞信コレクションがある。大坂の風俗・文化・文藝を研究するのにもってこいの資料群である。その中から選りすぐりの112点が展示される。その質量に圧倒された。
副題の通り、名所・芝居・花街の3部構成となっている。
まず名所。私は、いま「まなびや懐徳堂」という講座で『摂津名所図会』を読んでいるので、まさにタイムリー。とても勉強になった。まずは大岡春卜の「浪花及澱川沿岸名勝図巻」がいきなり登場。見たことなかったすばらしい大作である。松村景文ら五人の合作になる風景図も珍しい。岡田半江の「大川納涼図」に続いて、豪華絢爛な屏風が目に飛び込んでいる。「浪花名所図屏風」。『摂津名所図会』との関係が解説で示唆されていた。メモメモ。それ以外にも、大坂略図の便利そうな「なにわめぐり」、「三十石登船便覧」、「天神祭十二時」など興味深い資料が続々と展示されている。中尾和昇さんが解説の多くを担当。
続いて芝居。ここは北川博子さんの独壇場。芝居番附、絵尽くし、役者評判記、一枚刷り、絵入根本、役者絵、芝居絵、とりわけ貞信の錦絵。じっくり見れば、上方の芝居関係の出版がかなり理解されるように構成、展示されている。関西大学のもつ資料だけでここまでできるのは、まことに素晴らしい。
締めくくりは花街。新町に関する資料といえば、『澪標』だが、それ以外にも、細見図、夕陽廓の賑、諸国色里値段附、廓で流行したすい言葉、そして特に充実しているのが、ねり物(遊女・芸妓の仮装練り歩き)に関する資料。新町だけではなく、島之内、北新地、道頓堀も。遊女名寄。そして関西大学図書館以外には知られていないという『艶女方言』。いやはや、見事な展示でした。
江戸時代の芝居・遊郭についての展示では、とくに浮世絵などは圧倒的に江戸が多いので、今回の展示、江戸時代の大坂を知るのに、実によかったです。

5月30日(土)まで、10:00〜16:00(入館は15:30まで)、休館は日・祝、ただし4月29日、5月17日は開館、入館料無料。
posted by 忘却散人 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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